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柔らかさと、広い掌 Summaron 35㎜ f3.5を試す
 手元にあるライカレンズの中で、あまりに柔らかすぎず、そしてシャープすぎず...と思って取り出したのがズマロン35mm f3.5(前期型)。
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 実際、散歩にEpson R-D1sにつけて携えてみると、思うよりもさらに柔らかい。最近デジタルカメラ用レンズばかり見ているせいかな。
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 阪神大震災で何度もニュース中継の舞台となった長田区役所と長田消防署。
 シャープネスとかハイコントラストとは無縁の画像。でも暗部がつぶれず、悪い雰囲気ではありません。
階調ということをポイントにすると好きな感じです。
 レタッチソフトで少し触ると好みの感じに仕上がりそうです。ライツのレンズが昔から暗室で讃えられてきたのはこのあたりに秘密がありそうです。
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 高速長田のスーパー、ライフ。彩度の高いモチーフも嫌みなく写るような柔らかさがあるように思います。
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 御蔵小学校前。昔のポプラ並木が好きだったのですが、こう撮ってみると今もそんなに悪くない感じ。
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 一見、ギヨッとするのですが、カット&パーマ屋さん。ちょっと古びた写りですね。まあ60年以上前のレンズですから当たり前ですが。
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 無機的なものの描写も悪くない気がします。今様のシャープなレンズやツアイスのレンズはコントラストが高めで、暗部がストンと落ちる気がしますが、ライツのレンズは総じて愚鈍なほどに階調がふんわり出ます。とりわけ暗部の描写が好みです。
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 派手な描写ではありませんから、人工光では眼を引きにくいかもしれませんが、悪い感じではありません。
コントラストがきついところでも情報量が多い気がします。

 よくツアイスのレンズのことを「世界を美しく描写するための設計」と言いますが、ライツのレンズは世界をくまなく描写する設計だったのでしょうか。暗いものから明るいものまで、鮮やかなものから、濁ったものまで自然な感じで絵にしてくれる気がします。
 これはこれで悪くない気もします。

Epson R-D1s&Summaron 35㎜ f3.5


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by kamigatacamera | 2009-03-15 09:40 | Epson R-D1s
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